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売れっ子漫画家である著者の、水面下での努力(?)を描く営業ものがたり。
営業のための努力とは言いつつ、相変わらず歯に衣着せぬ文体で無茶苦茶やってくれるのが著者の魅力。手塚治虫に喧嘩売ってるとしか思えないのがあったりとか、わざわざ来た出版社を追い返してしまったとか、そう言うのも平気で書いてるからなあ(その辺を被害妄想と片づけさせようと言うあたりも楽しい)。
それだけでなく、物語として完成度の高い「うつくしいのはら」やぼくんちの前日譚とも言える「朝日のあたる家」も収録してる。そんなに厚い本じゃないけど、読み応えは充分高かった。
これ読んで、女の子ものがたりと上京ものがたり読んでなかったことに気が付いた。しかし巧いやり方だな。