キャスリング〈前編〉
新井 素子
集英社 (1994/12)
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 小国サティ王国のララベス王妃の元にブラック・キャットからの挑戦状が届く。王室の宝である“海の涙”をいただくというのだ。だが日本在住のキャット、明拓、千秋の本物のブラック・キャットの面々はそれに全く覚えがなかった。実はキャットは当のララベス王妃とは浅からぬ縁にあり、彼女の挑発であることが明らかなのだが…混乱の内に来日するララベス王妃を前に、キャットは大胆不敵な計画を実行に移そうとしていた。

 昔著者にははまっていたが、なんせ寡作なので、ここ10年ほど新作を全くチェックしてなかった所、いつの間にか話が進んでいたと言うことを先日友人のカラス氏のブログで知った。それでいても経ってもいられない気持ちになり、購入…と言っても読むまで時間かかったけど(笑)

 しかし凄いもんで、前作読んだ時が確か17年前。それで読み始めた途端、あっという間にかつての感覚が蘇ってきた。そう考えると恐るべき刷り込み…いやいや、記憶だったんだな。著者との相性が抜群に良いというのもあるんだけど。軽快で読みやすい作品に仕上がっているので大変楽しい。