涼宮ハルヒの消失
涼宮ハルヒの消失
posted with amazlet on 06.09.15
谷川 流 いとう のいぢ
角川書店 (2004/07)
売り上げランキング: 3,268

 12月。いつもの通りに“キョン”こと“俺”は学校に行ったが、教室の様子はどこかいつもと違っていた。かつて“俺”を殺そうとして長門に消された朝倉涼子が何事もなかったように登校し、涼宮ハルヒがいない教室…一体何が起こっているのか。ハルヒ不在の理由を必死に探し求める“俺”…

 長編としては第2作に当たる話で、書き換えられた世界の中で話は展開していく。冒頭の部分からミステリ調の話ではあるが、肝心のオチそのものは割と弱いが、3年前から“今”へと戻る方法の捻り具合は感心してしまう。特にタイムスリップものは整合性が難しいが、その辺もちゃんと考えられているのはたいしたもの。それに、違う世界にいるからこそ、本来の世界の人間関係が少しずつ変化していっている事を示している所も良い。やっぱり面白い作品だ…もし劇場版があったとしたら、多分本作が当てられるだろうな。映画にするには丁度良い感じの作品だ。