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             ある朝、銀行家のヨーゼフ・Kは何の理由も聞かされないまま突然逮捕されてしまう。解放され、そのまま元の生活に戻るのだが、常に自分の行動は監視されていることを知らされる。一体何の罪かも分からないまま、無罪を証明しようとするのだが…
             社会と自分の繋がりは不可解極まりない。その事を文章化することに成功したのがカフカという著者だが、本作は同時に「自由とは何か」という思いを抱かせる。法律に守られていると言うことを「自由」というのなら、同時にどんなに下らないことでも法によって裁かれることを受け入れなければならない…ソクラテスのジレンマだな。
             20年ぶりくらいに読み直してみたが、やっぱり良いなあ。改めて色々考えさせてくれたよ。
