ぼっけえ、きょうてえ
岩井 志麻子
角川書店 (2002/07)
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 岡山を舞台に描かれるホラー短編集。「ぼっけえ、きょうてえ」「密告函」「あまぞわい」「依って件の如し」の4編を収録する。

 純日本的なホラー作品。つまり本作は現代に描かれた怪談話である。ただ、これら全ての作品は超常現象部分は極めて抑えられ、最も怖いのは実は人間である。と言う結論に持っていくその手法が実に上手く、見事な出来に仕上げられてる。本当に怖く、無茶苦茶好みなのだが、何故か本作中最も出来が悪いのが表題作「ぼっけえ、きょうてえ」だったような気が…

 改めて思うけど、怪談での怖さってのは、実は生きてる人間の怖さを描くことなんだろうな。