19世紀初頭スコットランドヤードが出来たばかりの頃。ロンドンにバネ足ジャックと呼ばれる愉快犯が登場した。暗闇の中で飛び回り、出会う人々を恐怖に陥れた怪人だが、ある時ぷっつりとその行動を止めていた。そして3年後、再びジャックは帰ってきた。だが今度のジャックは平気で人殺しをする存在として。調査に当たったロッケンフィールド警部は正体に心当たりがあると言うのだが…

 知らなかったが、切り裂きジャック事件の前にもロンドンにはこういう事が起こったのか。色々勉強になったし、物語の展開そのものも、そのままハリウッド映画にしても良いくらいの見事なバランスの良さ。著者の実力はまだまだ上がっている事がよく分かる。