ひょっとして映画化を前提に?

 前に友人から紹介されていた小説「マタンゴ 最後の逆襲」読みました。
 内容は…
 2003年。城南大学の都市伝説研究会の面々が青木ヶ原樹海にあるという幻の船の調査にやってきた。物見遊山がてらだったのだが、彼らの周りを虹色の霧が包み込み、その間の記憶を失ってしまう。それから10年。メンバーはそれぞれ自分の仕事で名を上げるようになったのだが、その内の一人加納洋が、よりによって樹海の入り口で変死体となって発見されるのだった。それから彼らの時は再び動き出す。何者かによって送られてくるメッセージに込められた「マタンゴ」の文字の意味は?そして50年前に起こったという事件の全貌は…
映画「マタンゴ」の正式な後日譚。映画の後村井がどうなったのか。事件のことを知る謎の人物は誰なのか。そしてマタンゴをめぐる日米の研究はどうなったのか。その辺が現代の物語と絡んで展開していく。トラウマ映画として名高いオリジナルの物語をより謎めかせ、よりホラー調に仕上げた感じで一気に読ませてくれる。映画が好きな人には自信持って薦められる作品。

 映画『マタンゴ』は最早ネタ化されてますけど、邦画では質がとても高い作品で、私も大好きです。この小説自体ちょっと手直しすれば映画に出来そうな作品でしたが、ひょっとしたら最初からその狙いがどこかにあったのかも?まあ、ちょっと時代には合わないのかな?
 明確に「特撮」と呼べる邦画が減った昨今。こういうのを是非映画化して欲しいもんです。
マタンゴ―最後の逆襲 (角川ホラー文庫 12-23)
マタンゴ