タイミング良いんだか悪いんだか

 先日図書館で読む本を物色していたら、「オタクバカ一代」という作品を見かけ、タイトルだけで借りてきました。著者の村濱章司という名前も知らなかったし、読んで初めてこの人がGONZOの社長だと気づいた次第。
 GONZOと言えば、ハイクォリティアニメで知られますが、少なくとも私が観た数作品は、デジタル技術は凄いものの、物語を放っておいて、クライマックスシーン以外はとにかく退屈な作品を量産する会社としか思ってませんでした(『銀色の神のアギト』も『ブレイブストーリー』も映画としては酷い出来だったし)。
 でもまあ、読んでいて、決してそんないい加減な気持ちで作ったのではない。と言う事だけは分かりました。アニメの作家性というものを大事にする会社で、その結果が「原作レイプ」と言われようが気にしないだけ。いかにもベンチャー企業家のおごりでもありますが。
 そう言うことなら、先日公開された『宮本武蔵』のアニメ部分をIGじゃなくてGONZOに作らせても良かったんじゃないかな?あの形式が一番力を発揮できるはず。
 …なんて事を考えつつ、読了したのが昨日。
 夜にニュースを観ていたら、GONZOの上場廃止になった事を知りました。まさにその日にこれを読んだってのは、凄いタイミングですな。
 本では、日本のアニメ業界の未来は明るい。そしてその牽引役はGONZOが担ってやる。という力強さで終わってましたが、その後が昨日の出来事だったわけですか。3年前と今で、ここまで状況が変わるとは、時代の移り変わりは早い。
オタクバカ一代