これで一応の終わり

 今月のCOMICリュウの「勝つために戦え」は最終回。ゴダールについて話していました。
 映画はゴダール以前と以後に分かれる。と言われることがあるらしいのですが、これはつまり、ゴダールは映画そのものを脱構築してしまい、新しい地平を与えたという事なんでしょう。
 本人にその意識は無かったと思いますが、ゴダールのやったことは、それまでのキャラ、ストーリー、舞台の三つの要素の噛み合いというものを一旦否定して見せ、一旦ばらばらにした構成要素を再構築したところにあります。もちろん最初にこれをやったと言う事が重要であり、作品の出来自体は、後進の監督達によって整えられていったわけです。
 『ジャイアンツ』でジェームズ・ディーンが、牧草地にしかならない土地を掘って石油を掘り当てましたが、ゴダールがやったことは、映画に最初のボーリング工事をした。と言う事でしょうか。そこで石油が出ることが分かった彼の後輩が穴を広げ、石油をどんどん掘り出したって事になりますか?
 さて、それで今はどれだけ石油が残ってるんでしょうか?それとももう一度どこかで脱構築を行わなければならないのでしょうか?
 いずれにせよ、映画は色々楽しい。
月刊 COMIC (コミック) リュウ 2009年 10月号 [雑誌]