社賊
社賊
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森村 誠一
講談社 (1988/06)
在庫切れ

 日本有数の巨大ホテルであるホテルフェニックスに、たまたま入社できた畑中教司は、偶然社長の誘拐現場に居合わせてしまう。その後無事に社長は救出されたものの、その後次々にホテルに入ってくる強迫文書のお陰ですっかり客足が遠のいてしまう。ホテル内部に事件の火種があったのではないかと疑う社長命令で畑中は内部調査を行うことになったのだが…

 著者の推理ものは大体形式が決まっていて、とっ初めに必ず主人公は偶然自分とは関係のない事件に遭遇するが、その際、重大な手がかりもやっぱり偶然遭遇してる。それがつながる形で展開していくわけだが、あんまりにも同じすぎて読めば読むほど笑えてくる。実際内容もTVドラマ向きだし、良い意味でも悪い意味でも実に著者らしい作品だと言って良い。