読まずに死ねるか!
読まずに死ねるか!
posted with amazlet at 05.06.18
内藤 陳
集英社 (1985/08)
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 冒険小説の大ファンで、芸能生活の傍ら、自ら経営するバーでAF(Adventure
Fiction)の会を主催していた著者が、1978年から週刊誌に連載していた偏愛読書日記を綴った作品。

 とにかく著者の偏愛に溢れた作品で、面白い作品だったら、とことん褒めまくり、逆に面白くないとなったら、一刀両断にクズ扱いする。それがとても心地良い。

 面白いと言うよりは、これを読んだ時、本気で「悔しい!」と思った。最近すっかり映画の方に時間が取られ、読書も軽いものが中心になってしまった自分自身の読書生活に活を入れられた気分になった。1980年代から90年代の途中までは特に好きな海外SF作品をあれだけ読んでいたというのに、今はすっかり落ち着いてしまったし、色々冒険小説も読みたい作品はたくさんあって、山ほど積ん読しているのに、全然手を付けていなかった自分自身の情けなさを感じさせてしまった。読んでる最中にも、悔しさが募り、月に一冊は必ず冒険小説かSF小説のどちらかは読もう!と心に決めた。

 …いや、それだけじゃない。映画に関しても、本当に好きなのだったら、冷静にレビュー書くよりは、自分の思いを徹底的に前面に出したって良いじゃないか。いろんな意味で活を入れられた作品だった。読んでると、本を読みたくなる(なんか矛盾してるな)。