フルメタルパニックTSR
第6話「エッジ・オブ・ヘブン」
 宗助のぼさぼさ髪が妙に気になるかなめは宗助を美容院に連れて行くのだが、戦場気分がどうしても抜けない宗助はここでもトラブルをやらかしてしまう。妙案を思いついたかなめは自分の家に宗助を連れて行くのだが…
 普通の学園編に戻った話。ふもっふと較べると、明らかにしっとり感が増している。軽快さがなりを潜め、その代わりに情感が入り込んできた感じ。この辺をじっくり見せることによって、後の急展開を予見させるわけだが、戦闘シーンではなく、こういった情感あふれた作品を作らせると京都アニメーションは巧い。盛り上がりはラストのほんの僅かだけだが、ABパートの使い方に変化を持たせているので飽きさせない。全く変わりがないように見える宗助も明らかに変わってきてるのも良し。ロボットアクション作品としても見られる本作だが、実際には人間のみ出してるほうが遥かに質が高いというのも、ちょっとした矛盾ではあるな。
第7話「とりのこされて」
 かなめの護衛任務から外されてしまう宗助は、命令書に従って訳も言えず、虫の好かないレイスという監視員に後を託して一人アパートを辞す。一方、かなめはその事をまだ知らないまま…
 驚いた。ここまでの作品が出来るとは思いもしなかった。Aパートのみで作れた話をフルパート使ったのは伊達じゃない。通常このパターンだと止め絵を多用したりして無駄に時間を使わせるものだが、この話の場合は、それを飽きさせずに作ってやろうという心意気までも感じてしまう。実際に本来盛り上がりのない話を緊張感だけできっちり処理してる。その技術は驚くばかりで、さりげないモンタージュの使い方や、カメラアングルの取り方、そして声優陣の息づかいの演技など、全てに無駄が無く、それらが見事にかみ合った結果、恐るべき映像に仕上がっていた。はっきり言って「1st」、「ふもっふ」全てを通しても最もクォリティが高い作品と言い切っても良い。ほとんど息詰まったまま全編観て、気が付いたら鳥肌が立っていた。監督のセンスと現代の技術を総動員するとここまでのものが作れるのか?久々にテレビアニメ観て感動したよ。