2005-10-21 ■ 読書 斜陽posted with amazlet on 05.10.22太宰 治 新潮社 (1987/00)売り上げランキング: 21,201amazlet.com で詳細を見る 大戦が終わり、平民に戻されてしまった元華族の“わたし”。これまで何事も母を手本として貧しい生活にも耐えてきたが、その母が病気となり、容態も芳しくなくなってきた。更にこの貧乏な生活の中、弟がぐれ出していく…時代の中で生きていく女性を描く作品。 これは一種、太宰文学の最高作と言えるかも知れない。世の中には“このようにしか生きていけない”人間というのは確かに存在し、著者は常にそのテーマで小説を書いてきた訳だが、それを複数の人間を主軸とするとは、見事な描写の仕方だった。そう言えば大学の時以来ほんと久々に太宰なんて読んだよ。