ジョゼと虎と魚たち
ジョゼと虎と魚たち
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田辺 聖子
角川書店 (1987/01)
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 恋物語を描く短編集。「お茶が熱くてのめません」「うすうす知ってた」「恋の棺」「それだけのこと」「荷造りはもうすませて」「いけどられて」「ジョゼと虎と魚たち」「男たちはマフィンが嫌い」「雪の降るまで」の9編を収録する。

 概ねは著者の得意分野である女性の視点で恋を描く作品で、ドロドロした男女関係をさらりと描くにはやはり短編がよく似合う。ただ、映画化されたジョゼと虎と魚たち(2003)だけは珍しい男視点の作品。改めて映画はよくこれをあそこまで膨らませることが出来たものだと感心できた。むしろ本作そのものよりも映画の方に感心できた作品だった。