レムスとナリスの政治的な確執によって混乱が起こっている時代のパロ。その中で潰された塾と、新興塾との間で行われた肝試しが元で四人もの死者が出てしまった。生き残った塾生も錯乱したまま「ふりむかない男がふりむいた」と繰り返すばかり。時ならぬ幽霊話にパロは包まれていく。弱った宰相のヴァレリウスは動くことの出来ないナリスに助言を求めるのだが…

 外伝で展開中の「アルド・ナリスの事件簿」の第2巻。外伝でも20巻に当たり、これだけでも充分に大作なんだけど、本当に好き放題やってる感じだ。前の話はナリスがまだ若い頃の話だったが、この話は動けなくなった時のナリス。これこそ究極のアームチェア・ディテクティヴで、多分著者はこれをやってみたかったんだろう。和風のネロ・ウルフってところか。そうするとやっぱりヴァレリウスがアーチーか…結構はまってる気もする。