荒野の蒸気娘 (1)
荒野の蒸気娘 (1)
posted with amazlet on 06.02.27
あさり よしとお
ワニブックス (2006/01/25)

 化石エネルギーが枯渇してしまった近未来。エネルギーを持つものと持たざるものの格差が広がる某国。荒野に放り出された、何者かに父親を殺されたアンとアリスの二人の“箱入り娘”が、父親以外初めて見た人間の小悪党のジョンを頼りに旅を続ける物語。お互いしか頼る者のない二人の薄幸の少女が売り飛ばされそうになったり、体を探られたりされつつも、健気に生きる姿が描かれる。(間違ったことは言ってないけど、文字通り読んではいけません)

 掛け値無しにデビュー当時から著者の作品を読んでるけど(何しろ初めて買った漫画雑誌に著者のデビュー作が載ってたくらいだから)、最近は毒気がどんどん抜けてきてるのがちょっと気がかりだったが、『WAHHAMAN』に出てきたオシリスを主人公にしたような話で、久々に本作は毒気が楽しめる。昔ほどではないにせよ、著者らしさはよく出ていると思う。尚、帯に「要脳内補完コミック」と書かれていたが、脳内補完できるなら、確かに典型的萌え作品と言えるかも知れない。