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終戦のローレライ〈4〉
福井 晴敏
講談社 (2005/02)
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 テニアン島から東京に向けて原爆搭載機が発進しようとしていた。なんとしてもそれを止めようと伊507はまっすぐテニアンに向かう。だが、その前にはあらかじめそれを予測したアメリカ海軍によって鉄壁の守りが固められていたのだった。罠と知りつつ、更に搭載兵器も限りがある状態でそこを突っ切るしかない伊507。そして最後に征人とパウラに与えられた任務とは…

 いよいよクライマックス。大局を見据えつつ、敵味方のお家事情から個人的な繋がりまでをきちんと見せ、ストーリーに破綻を起こさせない著者の筆力が冴える。特に盛り上がりにかけて、武器のない状態でどうやって攻撃をするか、時間の描き方とアイディアは本当に見事。映画版との終わり方は随分違っているけど、これも又良し。