地獄の季節
地獄の季節
posted with amazlet on 06.10.25
ランボオ J.N.A. Rimbaud 小林 秀雄
岩波書店
売り上げランキング: 4,109

 ヴェルレーヌと共に漂白していた若き天才詩人ランボーが19歳の時に描いたという詩集。

 これを文学界に叩きつけた絶縁状と言う人もいる。

 確かに挑戦的な詩で、一つ所に止まることの出来ない自分自身が持つ苛立ちや、人から与えられる自分の人物評、あるいは既存の文学に対し、全てをストレートに叩きつけたような詩になっている。

 この作品が受け入れられるのは、結局人にはこういう何もかもに対して苛立ち、暴力的になる時というのがあるから、それを思い出して。と言うことになるのだろう。もし15年前にこれ読んでいたら、傾倒していたかも知れない。そんなことを思わせる作品だった。

 しかし、これを書いている時の著者、本当に全然幸せを感じることが出来なかったんだろうな。それだけは本当に思うよ。