あらゆるものに変形する金色のネズミ、ウフコックを手に圧倒的な力を持つ存在に生まれ変わったバロット。ドクターと共に彼女を殺したシェルを追いつめようとする。だがかつて彼女同様スクランブル09を経て蘇生し、ウフコックの元パートナーであったボイルドの追跡にあう。バロットを上回る力を持つボイルドに傷つく二人。

 非常に読み応えのあるハードで乾いた展開で魅せてくれる、日本では珍しいハードSF。ライトノベルっぽさの良い所を上手く取り入れつつ、それをしっかり物語に組み込める著者の力量はたいしたものだ。決して読みやすい作品ではないものの、しっかりした手応えを感じさせてくれる。