ハンニバル・ライジング 上巻
トマス・ハリス 高見 浩
新潮社 (2007/03)
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 リトアニアの旧家レクター家に生を受けたハンニバル。だが当時リトアニアナチス・ドイツの攻撃を受け、その標的となったレクター家の居城も襲われ、家族は惨殺されてしまう。全てを失って生き残ったハンニバルは戦後伯父夫婦に引き取られ、そこで伯父の妻、紫から多くの薫陶を受ける。だがその心の中には復讐の炎が燃え上がっていた。

 ハンニバルの青年時代を描く作品。元々映画を観る前に読もうと思って買ったのだが、結果として劇場で映画観ることなく、本の方も随分読むのが遅くなってしまった。しかし、ハンニバルを生んだ同じハリス作品とは思えない出来の悪さ。少なくとも「ハンニバル」に出てきた心の迷宮がどのように作られていたのか、せめて著者なんだからそれ位は描いて欲しかったな。