逃亡日記
逃亡日記
posted with amazlet on 07.07.24
吾妻 ひでお
日本文芸社 (2007/01)
売り上げランキング: 5336

 失踪日記を著し、一躍“時の人”とされてしまった著者が、改めて当時の逃亡生活や断酒の苦しさなどをインタビュー形式で述懐する作品。

 最初のマンガの部分で自分で「便乗作品」と言ってるように、「売れる内に売ってしまおう」という出版社の思惑が見え隠れてしているが、やっぱり活字は活字の良さがあるし、本人の口からデビュー以来の足跡を語ってもらうと、漫画誌における時代の変遷や、著者の立ち位置なども見えてきて、なかなか興味深い。

 本人は「漫画史に残りたい」とか語っていたが、少なくとも、それに関しては間違いなく叶っているだろう。既にはっきりと足跡を刻んでいる。