自己破壊衝動?

ちょっと前まで「嫌いな映画監督」だったヴィスコンティですが、最近再評価してます。歳食って観方が変わったんでしょうかね?
で、試しに。ということで、前々から気にはなっていた『地獄に堕ちた勇者ども』を観てみました。
…なんつーか、このデカダン趣味はすさまじいですな。物語とか設定はともかく、この描写も含めたら、これは絶対ヴィスコンティ以外の誰も作れませんよ。真似すらできる人はいません。
ちょっと前だったらこれは「どうしようもない」と断定していたかもしれませんが、なんか凄く面白かったです。
ヴィスコンティは初期のネオ・リアリスモ時代、共産党礼賛時代、そして本作からデカダン時代に入ると言われますが、改めて思うに、タッチは変わっても一つだけはっきりしているのは、全ての作品で、自分自身を痛めつけてるんじゃないか?と思えてきたからかもしれません。全ての監督作品はみんな自分自身を描き、そして自分自身を責めている。一種の自傷行為なのかもしれません。特に『地獄に堕ちた勇者ども』なんかは、それが最も顕著に表れた作品だったように思えます。と言うより、これを観てようやくそう思いました。
地獄に堕ちた勇者ども