ここまで言えたら。

 ビデオで『市川崑物語』を拝見。これは凄かったです。
 映像化した思い入れたっぷりの映画レビューと行った感じ。何というか、完全な岩井俊二監督の自慰的作品で、「自分の思う市川崑」のみを描いた作品でした。ここまでのファン作品を劇場公開作品として作ってしまったという事が凄いと思います。
 しかし、これは本気で凄いとも思います。何せ劇中「僕は僕の大親友と出会ったと思った。だけどそれは違う。この人こそ僕のオリジナル」(ちょっと台詞は違うけど)ここまで言えるのは心底羨ましい。
 市川崑監督だと、市川崑(本家)を見てもらえば分かりますが、私の評価はかなりきつく平均点の3点に達してません。パートナーである脚本家の和田夏十と組んでいた時代はともかく、80年代の作品がキツすぎましたから。しかし、本当の大ファンがいたんですねえ。

 まあ、誰とは言わないけど私にもそう言う監督はいるのはいるのですが、「僕のオリジナルです」とまで言えるかどうか…
 ここまで言える岩井監督は凄いなあ。
市川崑物語