ジパング 19 (19)
ジパング 19 (19)
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かわぐち かいじ
講談社 (2005/06/23)
売り上げランキング: 162

 みらいの積極的参戦により、歴史は大きく変わっていき、ついに日本軍はインドにまで戦線を拡大していく。一方、草加が持ち帰ったもう一つの脅威、ウラン235の脅威も依然として残る中、みらい奪還のため、オンボロ潜水艦伊152号に乗り込んだ角松と、ウランの行方を探る梅津は、死んだはずの物理学者倉田へとたどりつく。

 いわゆるif戦記ものっぽさが良く表れた話ではあるのだが、主人公の方が実はそれを否定しているというのが面白い話で、果たしてこれから歴史がどう動くのか、それだけでも興味津々と言った感じ。本巻では特にアメリカのお国事情もよく描けていて、マッカーサーの人間的な魅力も充分だった(そういえば映画にも『マッカーサー』(1977)なんてものがあったが、ここでの主演はペックだったから、やや優等生っぽさが強かったし)。しかし著者はよくここまで描ける。しみじみ感心できるよ。