リアル「ぼくんち」

　かつてオーケンが「私は変な映画を観た!!」で紹介していたATG作品『祭りの準備』を拝見。
　この本で「不幸の金太郎飴、笑うでしょっ」とタイトル付けられ、「暗さたるや想像をはるかに超えるもの」と書かれてましたが、ほんっっっっとーに暗い作品でした。
　しかし本作観て思うのは、これだけの不幸が降りかかっていても、主人公の祖父一人を除き、他に「死のう」と考える人がいないこと。これだけやっていても、ほぼ全員生きるパワーにあふれてるんですな。お陰でどれほど暗い作品でも、後味は悪くありません。
　舞台が土佐ということもありますが、このパワー観てると、西原理恵子のマンガ「ぼくんち」の世界そのものに思えます。『ぼくんち』自体 阪本順治監督が2002年に映画化してますが、非常に薄味でしたので、これは是非合わせて観てほしいものです。と言うか、邦画に興味ある人は絶対に観て欲しい。名作の一つでしょうな。